Lichtung

難波優輝|美学と批評|Twitter: @deinotaton|批評:lichtung.hateblo.jp

2024-01-01から1年間の記事一覧

山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)書評*機能についての不明点と研究態度へのコメント

山野弘樹『VTuberの哲学』(2024、春秋社)は、「本書は、今日のVTuber文化の中で活躍するVTuberの典型的な特徴を抽出し、その特徴をある統一的な観点から体系的に解釈することを試みる著作であ」り(i)、その目論見に従って、全5章にわたりバーチャルYouTu…

移民ユートピアを求めて:Aimee Bahng(エイミー・バン)『Migrant Futures(移民的未来)』の紹介

概要 金融投機や経済発展の物語に翻弄されるのではなく、そこから解放される道があると、サンフランシスコ州立大学のエイミー・バンは主張している。 バンは、People of colorの作家たちによるスペキュラティブ・フィクションこそが、新しい未来を切り拓く鍵…

バーチャルYouTuberというフィクションをスポイルする鑑賞を愛していることについて

バーチャルYouTuberを視聴するとき、私がまなざす対象の一つは、そのアバターである。アバターが動いている。もう一つ、私が耳を向ける対象は声である。動画内の、あるいは歌声の。あるいはさらにしばしばバーチャルYouTuberはゲームプレイをしているので、…

ジュディス・バトラーのパフォーマティビティ概念とメタ/クィア批評の意味について

パフォーマティビティとは何か? 発語内行為や発語媒介行為を発語行為以外にも拡張可能だ。レイ・ラングトンが論じるポルノグラフィの言語行為論的分析は、画像提示内行為や画像提示媒介行為と理解できる(cf. Langton 1993)*1。 一般化し「表現内行為」「…

「可能性の地平線:ニューロクィア理論に関する若干のメモ」を紹介する

日本ではそれほど十全に紹介されていないクリップ理論(身体的・認知的インペアメント、ディスアビリティの解釈、分析を通して、健常性規範に挑戦する枠組み)の中で、とりわけ、ニューロクィア(neuroqueer)という概念は、じわじわと、確実に広がっている…