はじめに
こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属のナンバユウキです。分析美学とポピュラーカルチャーを研究しています。
先日、2019年7月27日にYouTube上で行った「361°アートワークス配信「バーチャル美少女学のための10のガイドトーク 1時限目」」にて、「いくつもの身体のあいだで–––バーチャルYouTuber、おしゃれ、ペルソナ」と題しまして、バーチャルYouTuber、おしゃれ、そしてペルソナ論を横断しながら、バーチャルな身体とリアルな身体との関わりを議論しました。
本記事では、その資料、さらに未公開資料を共有するとともに、ネタ元の論文のリンクを挙げます。
資料
・発表のアーカイブはこちらです。
「361°アートワークス配信「バーチャル美少女学のための10のガイドトーク 1時限目」」
・2019年7月27日にYouTube上で行った「361°アートワークス配信「バーチャル美少女学のための10のガイドトーク 1時限目」」での発表スライドです。researchmapのアップロードデータの制限のため、写真のいくつかは記載していません。
・実は行き違いで最新版が反映されていませんでした。確認はだいじですね。気をつけます。せっかくつくったので、最新版の、しかも読み上げのガイド原稿も付加したバージョンも共有します。区別がややこしいので、こちらの最新-原稿付加版は「海賊版」と呼ぶことにします。
・難波優輝. 2019. 「いくつもの身体のあいだで–––バーチャルYouTuber、おしゃれ、ペルソナ(海賊版)」、1-52. <https://drive.google.com/file/d/1HI0XDFzzvT3WApGhEaq62tfEccfZMSV9/view?usp=drivesdk>.
・こちらの発表原稿を再編して論考として発表したい気持ちもあります。ぜひお声がけくださいませ。
内容
1. バーチャルYouTuber
・バーチャルYouTuberの三層理論、ふたつのペルソナとしての鑑賞のくべつ、そして、ペルソナとペルソナイメージの違いについてお話ししました。
・ネタ論文はこちら
難波優輝. 2018.「バーチャルYouTuberの三つの身体:パーソン、ペルソナ、キャラクタ」『ユリイカ』50 (9) 特集バーチャルYouTuber、117-125頁、青土社.
難波優輝. 2019. 「バーチャルYouTuberエンゲージメントの美学––––配信のシステムとデザイン」『ヱクリヲ vo. 10』、44-64頁、ヱクリヲ編集部.
ヱクリヲ vol.10 特集I 一〇年代ポピュラー文化――「作者」と「キャラクター」のはざまで 特集II A24 インディペンデント映画スタジオの最先端
- 作者: 高井くらら,横山タスク,伊藤元晴,山下研,さやわか,西兼志,得地弘基,難波優輝,楊駿驍,横山宏介,堀潤之,小川和キ,伊藤弘了,佐久間義貴,村井厚友,福田正知
- 出版社/メーカー: ヱクリヲ編集部
- 発売日: 2019/05/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
・ネタ元のブログはこちら
ナンバユウキ. 2018.「バーチャルユーチューバの三つの身体––––パーソン・ペルソナ・キャラクタ」Lichtung Criticism, <http://lichtung.hateblo.jp/entry/2018/05/19/バーチャルユーチューバの三つの身体:パーソン>. (2019年7月27日最終アクセス)
ナンバユウキ. 2018. 「バーチャルYouTuberスタディーズ入門」Lichtung Criticism, <http://lichtung.hateblo.jp/entry/2018/06/27/バーチャルYouTuberスタディーズ入門:コミュニケーシ>. (2019年7月27日最終アクセス)
2. おしゃれ
・おしゃれの定義、装い、ペルソナ、イデアルなどの概念を紹介しました。
・ネタ本はこちら
難波優輝. 2019. 「おしゃれの美学––––パフォーマンスとスタイル」『vanitas 006』、138-156頁、アダチプレス.
3. いくつもの身体
・デジタルな装い、装いの倫理の問題について語りました。
・主たるネタ元はなく、これから書きたい論文の予告編です。
参考文献
Etengoff, C. 2012. “Fashioning Identities in Virtual Environments.” Fashions: Exploring fashion through culture. Probing the Boundaries at the Interface Series, ed. J.L. Foltyn, 135-150. The Inter-Disciplinary Press.
Goffman, E. 1956. The presentation of self in everyday life. University of Edinburgh.(『行為と演技——日常生活における自己呈示』石黒毅訳. 1974. 誠信書房.)
Jenkins, K. 2017. “What women are for: Pornography and social ontology.” In Beyond speech: Pornography and analytic feminist philosophy, ed. M. Mikkola, 91–112. Oxford University Press.
Horton, D., & Richard Wohl, R., 1956. “Mass communication and para-social interaction: Observations on intimacy at a distance.” Psychiatry, 19 (3), 215-229.
松永伸司. 2018. 「俳優、着ぐるみ、VTuber」、9BIT: GAME STUDIES & AESTHETICS, <http://9bit.99ing.net/Entry/87/>.(2019年7月27日最終アクセス)
ナンバユウキ. 2018a.「バーチャルユーチューバの三つの身体––––パーソン・ペルソナ・キャラクタ」Lichtung Criticism, <http://lichtung.hateblo.jp/entry/2018/05/19/バーチャルユーチューバの三つの身体:パーソン>. (2019年7月27日最終アクセス)
––––. 2018b. 「バーチャルYouTuberスタディーズ入門」Lichtung Criticism, <http://lichtung.hateblo.jp/entry/2018/06/27/バーチャルYouTuberスタディーズ入門:コミュニケーシ>. (2019年7月27日最終アクセス)
難波優輝. 2018.「バーチャルYouTuberの三つの身体:パーソン、ペルソナ、キャラクタ」『ユリイカ』50 (9) 特集バーチャルYouTuber、117-125頁、青土社.
––––. 2019a. 「バーチャルYouTuberエンゲージメントの美学––––配信のシステムとデザイン」『ヱクリヲ vo. 10』、44-64頁、ヱクリヲ編集部.
––––. 2019b. 「おしゃれの美学––––パフォーマンスとスタイル」『vanitas 006』、138-156頁、アダチプレス.
––––. manuscript. 「ポルノグラフィをただしくわるいと言うためには何を明らかにすべきか」< https://researchmap.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=multidatabase_view_main_detail&content_id=25217&multidatabase_id=68853&block_id=2580832#_2580832 >. (2019年7月27日最終アクセス)
Riggle, N. 2015. “Personal style and artistic style.” The Philosophical Quarterly, 65 (261), 711-731.
Roach-Higgins,E. M. & Eicher, J. B. 1992. “Dress and identity.” Clothing and textiles research journal 10 (4), 1-8.
参照サイト、参照動画
FAVRIC. 2019. <https://twitter.com/favric_live?s=17>.
アイコン動画館. 2019. 「【合計1000人】2018年バーチャルYouTuberたちのチャンネル登録者数をアイコンで表現する動画」アイコン動画館_IconVideos、< https://youtu.be/1QjEc4MfJDE >. (2019年7月27日最終アクセス)
ねこます. 2018. 「それはとっても世知辛いなって【002】」バーチャル番組チャンネル、< https://youtu.be/DoVh4Fc43Bo >. (2019年7月27日最終アクセス)
「VRoid Studio」、< https://vroid.com/studio/ >. (2019年7月27日最終アクセス)
「[ VRoid WEAR × chloma ] Y2K Anorak for VRoid コンプリートセット」< https://vroid.booth.pm/items/1330521 >. (2019年7月27日最終アクセス)
ZOZO FashionTechNews. 2019. 「フォロワー160万も、人間を超えつつあるバーチャルインフルエンサー。今注目の12人」ZOZO FashionTchNews、< https://ftn.zozo.com/n/ncc6095dabeb8 >. (2019年7月27日最終アクセス)
おわりに
はじめてのYouTube上での発表だったので、ラグの確認など問題がありました。ですが、家から研究発表できるのはすごくおもしろくて不思議な体験でした。これからも引き続き研究を進めるとともに、発表の機会もいただければ積極的に参加したい、と思いました。なので、ご興味のある方、企業さんはぜひお声がけください。バーチャルYouTuberの基礎を考えるためのお話を、今回できなかった点も含めて、ぜひお話ししたいです。ちなみに、
理論的ブレーンおよびバックグラウンドを探しているVTuber運営の方、ぜひぜひ。 https://t.co/yD1P1ms2bp
— Masahiro Takatori (@san_you_tyuu) 2019年7月22日
「VTuber」という存在、それを取り巻く文化や芸術について思考を深めたい関係者さま、スカウトチャンスだそうです。 https://t.co/68zzMhs9xl
— ゆうのLv3 / Yuji Hatada (@yunoLv3) 2019年7月22日
バーチャルYouTuberを取り巻く現象や問題を分析し、思考のデバイスをつくる、哲学者/美学者を求めている企業さんのスカウトお待ちしてます。
— ナンバユウキ (@deinotaton) 2019年7月23日
です。よろしくお願いいたします。
ナンバユウキ(美学と批評)Twitter: @deinotaton