Lichtung

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美学相談〈ソフィスト〉はじめました

はじめに

こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属、難波優輝です。このたび、感性と表現に関する哲学的問いの調査・解決・教育サービス〈ソフィスト〉を本格的に開始します。本記事はそのサービスの紹介、名前の由来、そして、サービスをはじめた理由と展望をご説明いたします。

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ソフィスト〉とはどんなサービスか?

・〈ソフィスト〉とは、「感性と表現に関する哲学的問いの調査・解決・教育サービス」です。主に分析美学を専門とする難波が、クライアントさまのご提案に応じて、感性と表現に関する哲学的問いにまつわる疑問を解決するためのお手伝いをしたり、学習や研究の参考になるような文献をいっしょにお探ししたり、また、原稿などについて添削やアドバイスを行うサービスです。

・たとえば、次のようなサービスが候補にあります。

  • 哲学の文献の読み方をお教えする。
  • テーマの探し方や文献の探し方をお教えする。
  • 文章の制作の仕方を構想からお教えする。
  • わたしが専門として取り組んでいるバーチャルYouTuber、アニメーション、美的なものと倫理的なものの関係、おしゃれ、音楽の哲学などのトピックをお話しする。
  • わたしに美学よもやま相談をしていただきどんな研究があるかをご紹介する。
  • 独学の方法をお教えする。
  • 大学院選びのお手伝いや研究へのご質問にお答えする。
  • 作品制作の際に参考となる美学の議論や概念、枠組みをご紹介する。

なぜ〈ソフィスト〉なのか?

ギリシアにおいて弁論の技術を対価を伴って教えていたというソフィストたちに習って、「美学教育と相談を価値に変える」という文化を作り出そうという野心のもとはじめました。

・昨今、人文系の大学院に所属する、あるいは人文系の大学院を卒業したひとびとには、そのスキルに合致する職業がじゅうぶんにあるとは言えません。そこで、ないならつくってしまおうと思い立ちました。

・研究のスキルを価値に変える、というスタイルは伝統的なイメージの中の、「学究に邁進し、暮らし向きに無頓着な哲学者」というスタイルとは、対立するわけではないものの、すんなりとは馴染まないでしょう。ここで哲学者には避けられてきた「ソフィスト」ということばを自称とするのは、アカデミックな世界での生活の困難な時代がはっきりと姿を現しつつある現時点で、研究に専念し、アカデミックな所属によって生活をつなぐのみの哲学者のモデルから新しい哲学者の生き方のモデルを探そうとする試みのモチーフとして、この言葉がふさわしいと考えるからです。「学究に邁進しつつ、そのスキルをひとびとに提供して生きていく哲学者」という生き方をソフィスト的生き方とだぶらせ、その実現を試みます。

ソフィスト〉とは誰か?

・現在、〈ソフィスト〉のメンバーはわたし難波優輝ひとりです。わたしは、分析美学を手がかりに、ポピュラーカルチャーの分析を行っています。フットワークの軽さや異なる文化に属するひととのコミュニケーションに臆さないことがわたしの武器です。研究者としては駆け出しですが、何にでも興味を持つ能力に関しては誰にも負けないし、誰も足を踏み入れていない地点に飛び込む勇気にかけては、知り合いの研究者の中でも指折りだと自負しています。

・〈ソフィスト〉のサービスにおいて、クライアントの知識は話しながら確認していき、いっさい前提しません。哲学の名を冠している限りは、知らないことを知れることが、そして、知らないことを知らせることができることが価値あることだと思える空間をつくりたいと考えています。ですのでクライアントの方には、安心して「いったい何を言っているの?」「もっと教えて!」と質問していただければさいわいです。

・難波の素性や業績はつぎのresearchmapという研究者用サイトをご覧ください。

・まだ遠い先の話ですが、難波の実践がうまくいけば、継続するなかで、ソフィストのメンバーも増やしていければと考えています。

なぜ〈ソフィスト〉をはじめるのか?

・音楽家にとって演奏会がその活躍の主たる場であるように、論文と発表が学者の舞台です。ですが、それで生きていくのにじゅうぶんなお金は発生しません。

・もちろん、寄稿する雑誌の運営の方は原稿料をくださいます。しかし、生活するためには、論文執筆では十分ではない。なので、論文書きは発表会、演奏会と考えて、それ以外の教育や調査で稼ぐという、演奏家音楽教室スタイルが哲学者の取りうる有力な道のひとつだとわたしは考えています。その音楽教室が過去はアカデミックな就職口、大学の教授、講師でした。ですが、この国の現状をみていると、特に人文系の就職状況に関しては、かなり厳しいものがあります。

・公の野望は、哲学者の個人教室の流行です。哲学者が論文を舞台としつつも、哲学の教室や個人教授で暮らしていけるロールモデルを模索し、わたし自身が実践していきます。

時間と体系

・時間:基本は90分、Skypeやhangoutなどを介して、一対一を基本としています。ご要望により、30分、60分のサービスも可能です。その場合、90分を基準に割って計算いたします。

・90分(30分、60分)のレクチャを一回として、気になったことだけについて一回きりでもまったく構いませんし、継続してご依頼頂くこともできます(とてもありがたいです)。

・おおきくみっつのサービスと対応して違いがあります。2020年2月17日時点でつぎのようになっています。以下は税別です。

  1. 美学や研究全般についての相談(大学院選び、美学よもやま話)、分析美学概論→90分、9000〜
  2. 添削指導や研究、勉強方法の指導→90分、12000〜
  3. 個別のトピックに関するレクチャ→90分、15000〜

・クライアントさまのご要望をわたしが理解したものをご提示し、「こちらの内容ですと、2.になります。そして、60分とのことで、こちらの数字になります」など、先に計算を確認した後にはじめてレクチャの開始となりますのでご安心ください。

・基本的にはレクチャの後に指定の振り込み先をお伝えいたします。

・個別のトピックに関するレクチャやサーベイなど、準備に時間や調査、資料収集が必要な場合は見積もりの額を先にいただきます。

・複数人や長いスパンでのレクチャや指導(原稿執筆の継続的な添削や勉強の長期にわたるアドバイス)などもご相談くださいませ。グループですと割引きもあります。

・現在のところはskype講座外での継続的なサービス(メールでの相談サービス、個別の論文添削サービスなど)は行なっていません。ですがご依頼があれば個別に対応いたします。

申し込みフォーム

Twitterでも受け付けています。

おわりに

・〈ソフィスト〉のような試みは、同時代に行なっているかたを見つけることはできず、完全に手探りの状態です。哲学・美学は決して不必要でも役に立たない学問でもなく、わたしたちがよりよく、よりたのしく生きるにあたって役に立つ学問だと信じています。それゆえ、よりよく、よりたのしく生きることを望むかたがおられる限りは、哲学・美学を必要とするかたがいらっしゃると考え、これから〈ソフィスト〉を運営、発展させてくことはできると考えています。

・より実際的な話として、研究者が生き延びる方法の多様化を目指し、研究者が、アカデミックなポスト以外で、しかし、そのスキルを活かし、研究を続けながらどのように生き延び得るかを、試行錯誤のなかで考えていきます。応援どうぞよろしくお願いいたします*1

難波優輝/ナンバユウキ(分析美学と批評)Twitter: @deinotaton

*1:ちなみに、〈ソフィスト〉のロゴは、ふたりの人間が向かい合うさま、そして、sophistのふたつのsのギリシア文字の大文字のΣをフューチャーしています。