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現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その1

はじめに

以下は『現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ』倉田剛 新曜社 2017年のまとめノートである。

自分自身の整理のために書かれたもので、用語の簡潔な定義のみを列挙している。

この本を読む人が、同じように章立てに沿ったミニマムなリストを欲するかもしれないと思い、ここに掲載する。細分化された目次、あるいは順番通りの索引として用いられれば幸いである。各講義ごとにページを分けて作成しようと考えている。

 第二講義 方法論あるいはメタ存在論について→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その2 - Lichtung

 

目次→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung

第一講義 イントロダクション 存在論とは何か

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1 何が存在するのか

1.1 何が存在するのかからどのような種類のものが存在するのかへ

・種ないし類をカテゴリー(categories)と呼ぶ。

1.2 性質と関係

・世界には何があるのか。
・人や物といった個別者(particulars)たちがあり、それらが共有する性質(properties)→普遍者(universals)が存在するかが争点となる。普遍者とは、個々のものが共有しうる同一の何かであり、反復可能な何かである。

実在論(realism)は普遍者の存在を認める立場である。それに対して唯名論(nominalism)は普遍者の存在を認めず、個別者のみが存在すると説く。

・具体的対象(concrete object)は時空間に位置を持つ対象であり、抽象的対象(abstract object)は少なくとも空間のうちに位置をもたない対象である。後者は理論、法、音楽作品などが含まれる。これらはある時点で創造されたという意味で時間的起源を有するが、空間内に特定の位置をもつようにはみえない。
・非物質的である具体的対象も考えられる。影や境界など。
・神話や小説に表れる特定のキャラクターは虚構的対象と呼ばれる一種の抽象的対象だと考える存在論者もいる。

・言い直すと、実在論とは数や命題を含む広い意味での抽象的対象の存在を認める立場であり、そうした抽象的対象を認めず、具体的対象の存在のみを認める立場を唯名論と呼ぶ。

実在論者は性質に加え、関係(relation)もまた普遍者であると考える。
・代表的な唯名論は以下の四つ。クラス唯名論(Class Nominalism)、類似的唯名論(Resemblance Npminalism)、述語唯名論(Predicate Nominalism)、トロープ唯名論(Trope Nominalism)

1.3 物とプロセス

空間的なひろがりをもつ三次元的対象であり、同一性を維持しながら時間のうちで存続する。
プロセスは空間的なひろがりに加えて、時間的なひろがりをもつ。→時間的部分(temporal part)をもつ四次元的対象であり、時間のうちで自らを展開する。

1.4 部分と集まり

・物の空間的な部分。複数の物からなる集まり(collection)。
・集まり→集合(set)/クラス(class)、あるいは集積(aggregation)/(sum)を表す。

・集合とそのメンバーはしばしば異なる存在論的カテゴリーに属する。
(「学生の集合」という抽象的なものと「人間である学生」という具体的な対象)
・集積とその構成部分は同じカテゴリーに属する。
(4本の脚と天板という構成部分とそれらからなる集積=机とはどちらも具体的な対象である)
・具体的なクラスが抽象的なメンバーをもつこと、抽象的な集積というものはそれぞれ存在するだろうか?
・多くの哲学者たちは、一つの集積(複合的対象)が形成されるための基準はないと結論する。
1.レオロジー的ユニヴァーサリズム(mereological universalism)はどんなものの集まりでも一つの集積→レオロジー的和(mereological sum)を形成することができるとする立場。
2. レオロジー的なニヒリズム(mereological nihilism)は一切の複合的対象の存在を認めない。
レオロジー(mereology)部分と全体に関する一般的理論

1.5 種という普遍者

・種(kinds)のカテゴリーには金や水といった物質種、カエルや人間といった生物種、椅子や国家といった人工種が属する。これらの種は個別者を実例としてもつ普遍者である。
・性質は偶然的なカテゴリーであり、種は本質的なカテゴリーである。
・種(の中でソータル(sortals)と呼ばれるもの)はものを数え上げる際の基準を与える。
・多くの種は法則的一般化と結びついている。
・これら数え上げの基準、法則的一般化との結びつきは、性質というカテゴリーにはない特性である。

1.6 可能的対象および虚構的対象

・可能的対象(possibilia)
・可能世界(possible worlds)この現実世界における事物のあり方に何らかの変更を加えてできあがる世界
・様相文(modal sentence)可能性と必然性とに関する文。
・可能世界に関する虚構主義(fictionalism)とは、可能世界の存在に関する主張を額面どおりに受け取る必要はなく、可能世界はシャーロックホームズと同様の虚構的対象(fictional objects)として捉える立場である。

2.存在論の諸区分

2.1 領域的存在論と形式的存在論

・領域的存在論(regional ontology)とは、ある特定の領域に固有の存在論。=質料的存在論(material ontology)フッサール
・それに対し、形式的存在論(formal ontology)とは、特定の領域に依らない、領域中立的な(domain-neutral)存在論を指す。形式的=一般的(general)
・形式的存在論の課題は類ないし種を個別化し、適切にレイアウトするとともに、それらに属する対象の本性とそれらのあいだに成立する関係(形式的ー存在論的関係 formal-ontological relation)を記述することにある。

2.2 応用存在論と哲学的存在論

・応用存在論(applied ontology)=オントロジーと表記されることもある。
・応用存在論とは、存在論の道具立てを用いて、汎用的な分類体系を構築しようとする知識工学や情報科学の一分野を指すことが多い。領域的存在論概念化に関する理論。
存在論者/応用存在論者→哲学的存在論(philosophical ontology)≒上位オントロジー(upper ontology)

Box1. 表象的人工物としての存在論 存在論の可能な定義

存在論とは、実在の構造を体系的に表象することを目的とする人工物である。実在の構造は、主に諸カテゴリーの階層およびカテゴリー間の関係を記述するという仕方で表象される。

 2.3 形式的存在論と形式化された存在論

・形式的存在論(コッキャレラによる定義)は「数理論理学の形式的方法が、存在論についての直観的・哲学的諸分析および諸原理と結び付けられたディシプリン」。こうした形式的-論理学的(formal-logical)な存在論形式化された存在論(formalized ontology)と呼ばれる。

フッサールは、形式的-存在論的概念が一般対象領域に関わるのに対し、あくまで形式的-論理学的概念は意味(意義)の領域的(理念的な領域)に関わると考えていた。

2.4 存在論の道具としての論理学

2.5 存在論とメタ存在論

・メタ存在論(metaontology)は「『何が存在するのか』と問うとき、われわれはいったい何を問うているのか」(What we are asking when we ask 'What is there?'?)を考察する分野である。すなわち、存在論的問いそのものについての理論的反省。

第二講義 方法論あるいはメタ存在論について→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その2 - Lichtung

Key words

・カテゴリー(categories)個別者(particulars)性質(properties)普遍者(universals)
実在論(realism)唯名論(nominalism)
・具体的対象(concrete object)抽象的対象(abstract object)虚構的対象(fictional objects)関係(relation)
・クラス唯名論(Class Nominalism)類似的唯名論(Resemblance Npminalism)述語唯名論(Predicate Nominalism)トロープ唯名論(Trope Nominalism)
・物(thing)プロセス(process)時間的部分(temporal part)四次元的対象
・部分(part)集まり(collection)集合(set)クラス(class)集積(aggregation)和(sum)
・メレオロジー的ユニヴァーサリズム(mereological universalism)メレオロジー的和(mereological sum)メレオロジー的なニヒリズム(mereological nihilism)
・種(kinds)ソータル(sortals)
・可能的対象(possibilia)可能世界(possible worlds)様相文(modal sentence)虚構主義(fictionalism)
・領域的存在論(regional ontology)質料的存在論(material ontology)
・形式的存在論(formal ontology)形式的-存在論的関係 formal-ontological relation)形式的-論理学的(formal-logical)形式化された存在論(formalized ontology)
・応用存在論(applied ontology)哲学的存在論(philosophical ontology)上位オントロジー(upper ontology)
・メタ存在論(metaontology)