Lichtung

ナンバユウキ|美学と批評|Twitter: @deinotaton|批評:lichtung.hateblo.jp

デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第2章 意味

第2章 意味 Meaning この章では、「人生に意味はあるのか」という問いが、どのような問いなのかを確認する。第1節では、人生の意味を問う動機に軽く触れ、第2節では人生の意味をさまざまなパースペクティヴから確認する。第3節では、あるパースペクティヴに…

デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第1章 イントロダクション

『人間という苦境——人生の問題への率直なガイド』 The Human Predicament: A Candid Guide to Life's Biggest Questions *1 はじめに 第1章 イントロダクション 1. 人生の大問題 Life's big questions 2. 悲観主義と楽観主義 Pessimism and optimism 3. …

ラテン語 ギリシア語 スタディガイド

はじめに ヨーロッパの思想、文学、芸術、歴史にアクセスする際、ラテン語と古典ギリシア語の知識が必要となる場面は多い。現在は独習に適した書物も多くあり、誰でもこれらの言語を学ぶことができる。とはいえ、直接西洋古典語を学習している知り合いがいな…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』読書ノート 目次及びPDF

これまで上げてきたものをPDFにまとめました。全60ページです。 内容は変わりありませんが、誤植の訂正とレイアウトの調整を行なっています。 ご入用の方はご連絡ください。 加えて、目次をまとめました。 目次 第1章→ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第13章 どうして聴かなければならないのだろう

第13章 どうして聴かなければならないのだろう この章では、なぜわたしたちは音楽を聴くのか、という根本的な問いを問う。 ショーペンハウアーの音楽理解が参照されつつ、キヴィの自説が述べられる。 第13章 どうして聴かなければならないのだろう なぜ聴く…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第12章 そして演奏について

第12章 そして演奏について この章では前章で軽く触れるにとどまった演奏と楽譜の関係について分析する。 第1節では、歴史的な楽譜の変化に触れつつ、楽譜と演奏の関係を、第2節では、作曲家と演奏家の関係を、歴史的に真正な演奏という言葉を軸に分析する。…

"Overdose of Joy" Flashback music

東加古川を中心に活動しているレーベルfastcut recordsの10周年記念ライヴイヴェント"Overdose of Joy"*1。 曽我部恵一、Lamp、Four Pens、Pictured Resort、Sheeprintの5組が出演。 加古川駅からシャトルバスで20分ほど揺られ、到着する。 会場は加古川ウェ…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第11章 作品

第11章 作品 この章では音楽作品の存在論をその演奏との関係から展開する。 第1節では楽譜と演奏の関係、第2節では実在論の解説、第3節では極端なプラトニズムに対する4つの反論を検討する。 第11章 作品 1. 楽譜と演奏 作品と演奏の存在論 2.実在論 3.…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第10章 語りと表象

第10章 語りと表象 この章では、テキストと音楽の関係、そして表象と音楽の関係を詳しく分析してゆく。 第1節では表象のさまざまな区分を導入する。第2節では標題音楽を頼りに、テキストと音楽の関係や作用を分析する。 第10章 語りと表象 1.音楽的表象 絵…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第9章 はじめに言葉ありき、しかして音楽ありき

第9章 はじめに言葉ありき、しかして音楽ありき この章では、言葉と音楽をめぐる問題をオペラと楽劇の歴史を通して検討する。 第1節ではオペラ以前の歴史を宗教改革との関連から記述し、第2節ではオペラの問題をその形成とともに述べ、第3節では音楽と言葉へ…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第8章 形式主義の敵たち

第8章 形式主義の敵たち この章では、絶対音楽がなんらかの内容を持つとする非形式主義者の議論を検討、批判する。 第1節では、非形式主義者の議論の動機を確認し、第2節では非形式主義の代表例として、絶対音楽に対するふたつの解釈を扱う。まず、第1に弱い…

音楽学のディシプリン 音楽学の誕生からニュー・ミュージコロジーへ、そしてそれ以後

はじめに 本稿は音楽学のディシプリンを扱っている文献をごく簡単な著者紹介とともに数点列挙したものである*1。 主として自分の備忘録として書かれている。副次的に、音楽学という学問じたいに興味があるひと、すなわち、「音楽学は音楽にどう関わるのか」…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第7章 あなたのうちにある情動

はじめに ページを数えるとようやく半分を過ぎたところ。運がよければ夏が来る前に読み終えられそうだ。あせらず、疑問を持ちながら読み進めていきたい。 第7章 あなたのうちにある情動 この章では、音楽がいかにして情動を持つのか、そしてどのようにわたし…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第6章 強化された形式主義

第6章 強化された形式主義 この章では、音楽における情動をうまく扱うために、強化された形式主義についての議論とそれに対する反論を概観してゆく。まず第1節で、伝統的な形式主義について確認し、第2節では強化された形式主義を統語論的な要素、そしてその…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第5章 形式主義

はじめに 読み進めるほどにあちこちに、これから学ぶべきものが見えてくる。 さまざまな本をひらきつつ、聞き知ったことがらを関連させていければと思う。 それでは、ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第5章を読んでいきたい。 第1章→ピーター・キヴィ『音楽…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第4章 もうすこし歴史の話を

はじめに 断片的だった知識がひとつの流れとして立ち現れる、そうしたことを歴史叙述は行う力があるのだと、キヴィの整理を読んでいると気づかされる。 ピーター・キヴィの『音楽哲学入門』今回で4回目となった。全13章の三分の一の少し手前、まだまだ長いが…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』読書ノート 第3章 音楽における情動

はじめに 予想しなかったほど多くの方の目にふれることになり、さらに幸いなことに、幾人かの方から理解にかかわる貴重なご指摘をいただいた。改めて感謝を記しておきたいと思う。 今回で3回目になる。キヴィの文体にもようやく慣れてきたところだ。 それで…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第2章補足 プラトン『国家』第3巻第399α-399β節に関するコメント

戦士を模倣する旋法について 第2章→Dedicated to Peter Kivy. Introduction to a philosphy of music 読書ノート その2 第2章 すこし歴史の話を - Lichtungにおいて、キヴィがあげている例は、プラトン『国家』第3巻の399aから399bにかけての以下の文だと思…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第2章 すこし歴史の話を

はじめに 音楽の哲学についてなぜわたしたちは語りたがるのか、と問うてみると〈なぜならわたしたちは音楽が好きだから〉という存外単純な答えを得られるかもしれない。 音楽には汲み尽くし得ない謎が秘められていて、それを解明しようとすればするほどに、…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第1章 …の哲学

はじめに ピーター・キヴィの『音楽哲学入門』 (Peter Kivy, Introduction to a philosphy of music, Oxford University Press, 2002.)は音楽哲学の創始に多大な貢献を果たしたPeter Kivy(1934-2017)による音楽哲学の入門書である。300ページほどのそこ…

現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次

・公式サイト目次→現代存在論講義 I ・まとめノートリンク 第一講義 イントロダクション 存在論とは何か→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その1 - Lichtung 第二講義 方法論あるいはメタ存在論について→現代存在論講義Ⅰ ファンダメ…

現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その5

第四講義 性質に関する実在論→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その4 - Lichtung 目次→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung 第五講義 唯名論への応答 1クラス唯名論 1.1クラスによる説明 ・ク…

現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その4

第三講義 カテゴリーの体系 形式的因子と形式的関係→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その3 - Lichtung 目次→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung 第四講義 性質に関する実在論 1 ものが性質…

現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その3

第四講義 性質に関する実在論→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その4 - Lichtung 目次→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート0 目次 - Lichtung 第三講義 カテゴリーの体系 形式的因子と形式的関係 存在論とはカ…

現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その2

第一講義 イントロダクション 存在論とは何か→現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その1 - Lichtung 第三講義 カテゴリーの体系 形式的因子と形式的関係→現代存在論講義I ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その3 - Lichtung 目…

現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ 倉田剛 まとめノート その1

はじめに 以下は『現代存在論講義Ⅰ ファンダメンタルズ』倉田剛 新曜社 2017年のまとめノートである。 自分自身の整理のために書かれたもので、用語の簡潔な定義のみを列挙している。 この本を読む人が、同じように章立てに沿ったミニマムなリストを欲するか…

音そのものへの旅 網守将平 SONASILE

配置の音楽・創発の音楽 現代とそれ以前の音楽史を無理を承知で分類するなら、「音そのものへの批評眼」の誕生が分岐点になる。西洋、クラシックと言われる音楽においては、音色そのものへの意識はあったにせよ、歴史的な文脈に限定された楽器しか用いられな…

音楽、異なるものとの交わり Music for communication/communion

はじめに よい音楽にはジャンルの境界がない。とはいうものの、音楽に何を求めるかによってジャンルが生まれたようにも思える。わたしたちは音楽になにを求められるのだろうか? それがこの論考のひとつの問いである。 さて、今回、わたしたちはジャンルをめ…

グルッポ・イッテン『にく展』 於:ギャラリー・パサージュ 2017年2月19日〜2月26日 出展作品

2017年2月19日〜2月26日の期間、元町のギャラリー・パサージュにてグループ展"グルッポ・イッテン『にく展』" を行いました。出展した作品を掲載しています。 展示風景。 気配 Sign、油性・水性スプレー/木、49.5×34.58 暗示 Allusion、油性・水性スプレー/…

波動、じぶんと作品との緊張

塚脇淳×工藤聡×関典子 「波動」 塚脇淳の鉄の彫刻作品と工藤聡、関典子というふたりの舞踊家の舞踊の組み合わせの作品。 この実験展を図式化するなら "完全さと不完全さ-作品とじぶん-立っている彫刻と立っていられないからだ" となるだろう。 《作品のスケ…