Lichtung

難波優輝|美学と批評|Twitter: @deinotaton|批評:lichtung.hateblo.jp

PHILOSOPHY

いくつもの身体のあいだで––––バーチャルYouTuber、おしゃれ、ペルソナ(海賊版)

はじめに こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属のナンバユウキです。分析美学とポピュラーカルチャーを研究しています。 先日、2019年7月27日にYouTube上で行った「361°アートワークス配信「バーチャル美少女学のための10のガイドト…

ポルノグラフィをただしくわるいと言うためには何を明らかにすべきか:資料公開と感想記

はじめに こんにちは。神戸大学人文学研究科、芸術学専修、現在修士課程一年のナンバユウキです。分析美学を手がかりにポピュラーカルチャーの分析と批評を行なっています。 2019年7月13日から翌14日にかけて、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合…

論文制作の方法

はじめに:論文制作の方法を問うて何がうれしいのか 論文はいかに作られているのか、論文はどう作るべきなのか、どのような構成要素から論文の制作は成り立っているか。こうした論文の制作に関する問いを仮に「論文制作」に関する問いと呼ぼう。論文制作に関…

分析美学の道具箱

はじめに 入門書の邦訳、重要な著作の翻訳、入門記事の充実などにみられるように、分析美学への日本語でのアクセス環境も整ってきました*1。分析美学を手がかりに研究している者のひとりとして、いろんなひとが分析美学に触れ、そのおもしろさを味わう機会が…

概念工学と概念倫理学

はじめに 本稿では、近年、いっそう活気づいている哲学的な方法論のひとつ、概念工学、および、概念倫理学に関するかんたんな紹介を行います。哲学における概念創造について考えているひとや、どのような概念をつかうべきかを気にしているひとには、いくらか…

2018年7月に読んだもの:Vaporwaveとファッション批評、対話と詭弁と徳美学

キイワード vaporwave、ファッション批評、哲学対話、古代懐疑主義、徳美学、詭弁 はじめに こんにちは。夏でしたね。外に出るたび身の危険を感じながら、この夏をやり過ごしてきました。ここからがながい夏の暮れも生きのびてゆきましょう。 この記事はナン…

2018年6月に読んだもの:セックスとジェンダー、社会存在論、言論の自由、そしてナショナリズム

ふりかえり お仕事といくつか作業があったので、読んだものは少ないです*1。スタンフォード哲学百科事典祭り。 ふりかえり 6月30日:M. Mikkola「セックスとジェンダー:フェミニストの視点から」スタンフォード哲学百科事典(2017) まとめ 資料 ひとこと …

ヴァーチャルリアリティはリアルか?:VRの定義、存在論、価値

近年、ソーシャルVRと言われる『VRChat』のサービス開始(2017年2月〜)や、VRヘッドセットやVR技術の漸進的な普及、そして、VRのアイコンといえるVirtualYoutuber(Vtuber, VTuber)らの登場で、ヴァーチャルリアリティの世界は一段と盛り上がりをみせてい…

SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ

イントロダクション 社会的構成(social construction)、構成主義(constructionism)、構築主義(constructivism)は、人文社会科学の分野で幅広く使われている用語であり、感情、性別、人種、性別、ホモ・セクシュアル・ヘテロセクシュアル、精神疾患、技…

IEP:概念の古典理論

はじめに 「概念には定義が存在する」と主張する概念に関する「古典理論」についての記事のまとめノートです。 元の記事:インターネット哲学大百科「概念の古典理論」http://www.iep.utm.edu/conc-cl/ 「概念はどうすれば明らかになるんだろう」「定義は便…

SEP: 歴史哲学 PART I

はじめに 本稿はSEP(スタンフォード哲学百科事典)の「歴史哲学(Philosophy of History)」の項のまとめノートである。この記事では、歴史哲学のうちで問われる、歴史の行為者・因果論。そして、大陸系、英米圏の歴史哲学。加えて、史学史と歴史哲学との違…