Lichtung

ナンバユウキ|美学と批評|Twitter: @deinotaton|批評:lichtung.hateblo.jp

プロフィール

名前 ナンバユウキ 連絡先 Twitter: @deinotaton Mail: deinotaton☆gmail.com(☆を@に変えてください) プロフィール 分析美学を手がかりとして、フィクション、批評、そして芸術と倫理との関係を研究しています。特に、現在は人間とキャラクタの表象につい…

美学相談〈ソフィスト〉はじめました

はじめに こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属、難波優輝です。このたび、感性と表現に関する哲学的問いの調査・解決・教育サービス〈ソフィスト〉を本格的に開始します。本記事はそのサービスの紹介、名前の由来、そして、サービス…

おしごとさがし

はじめに こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属、分析美学の研究と批評を行なっている難波優輝です。これまでに『ユリイカ』『ヱクリヲ』『vanitas』などに論考を寄稿してきました。 現在は、修士論文に向けて、「ポルノグラフィと社…

いくつもの身体のあいだで––––バーチャルYouTuber、おしゃれ、ペルソナ(海賊版)

はじめに こんにちは。神戸大学大学院人文学研究科博士課程前期課程所属のナンバユウキです。分析美学とポピュラーカルチャーを研究しています。 先日、2019年7月27日にYouTube上で行った「361°アートワークス配信「バーチャル美少女学のための10のガイドト…

ポルノグラフィをただしくわるいと言うためには何を明らかにすべきか:資料公開と感想記

はじめに こんにちは。神戸大学人文学研究科、芸術学専修、現在修士課程一年のナンバユウキです。分析美学を手がかりにポピュラーカルチャーの分析と批評を行なっています。 2019年7月13日から翌14日にかけて、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合…

音楽の哲学にはどのようなトピックがあるのか

はじめに じぶんが分析美学の研究をはじめるにあたって、芸術の哲学、分析美学の研究者の森功次さんの記事「分析美学にはどのようなトピックがあるのか」*1におおいに助けられました(森 2015)。そこで、本稿では、音楽の哲学、音楽美学をはじめようと考え…

分析美学のQ&A:落語と幻想文学、正しい批評、メタ分析美学

はじめに 本稿は、分析美学の(ひとつの)質問箱にて受け付けた質問に答える記事です。分析美学に関するトピックに興味のある方の参考になれば。 はじめに 質問1:落語と幻想文学 質問2:正しい批評 質問3:メタ分析美学 注 質問1:落語と幻想文学 Q.1:「友…

詩の哲学入門

はじめに 詩(poetry)とは何か、詩は翻訳できないのか、詩の形式と内容とはどう関係しているのか、詩における「わたし」とは誰か、詩の真理と深遠さとは何か、歌詞、詩、短歌、これらのジャンルにはどのような特徴があるのか。こうした問いを哲学的に問う学…

論文制作の方法

はじめに:論文制作の方法を問うて何がうれしいのか 論文はいかに作られているのか、論文はどう作るべきなのか、どのような構成要素から論文の制作は成り立っているか。こうした論文の制作に関する問いを仮に「論文制作」に関する問いと呼ぼう。論文制作に関…

分析美学の道具箱

はじめに 入門書の邦訳、重要な著作の翻訳、入門記事の充実などにみられるように、分析美学への日本語でのアクセス環境も整ってきました*1。分析美学を手がかりに研究している者のひとりとして、いろんなひとが分析美学に触れ、そのおもしろさを味わう機会が…

概念工学と概念倫理学

はじめに 本稿では、近年、いっそう活気づいている哲学的な方法論のひとつ、概念工学、および、概念倫理学に関するかんたんな紹介を行います。哲学における概念創造について考えているひとや、どのような概念をつかうべきかを気にしているひとには、いくらか…

2018年7月に読んだもの:Vaporwaveとファッション批評、対話と詭弁と徳美学

キイワード vaporwave、ファッション批評、哲学対話、古代懐疑主義、徳美学、詭弁 はじめに こんにちは。夏でしたね。外に出るたび身の危険を感じながら、この夏をやり過ごしてきました。ここからがながい夏の暮れも生きのびてゆきましょう。 この記事はナン…

2018年6月に読んだもの:セックスとジェンダー、社会存在論、言論の自由、そしてナショナリズム

ふりかえり お仕事といくつか作業があったので、読んだものは少ないです*1。スタンフォード哲学百科事典祭り。 ふりかえり 6月30日:M. Mikkola「セックスとジェンダー:フェミニストの視点から」スタンフォード哲学百科事典(2017) まとめ 資料 ひとこと …

ヴァーチャルリアリティはリアルか?:VRの定義、存在論、価値

近年、ソーシャルVRと言われる『VRChat』のサービス開始(2017年2月〜)や、VRヘッドセットやVR技術の漸進的な普及、そして、VRのアイコンといえるVirtualYoutuber(Vtuber, VTuber)らの登場で、ヴァーチャルリアリティの世界は一段と盛り上がりをみせてい…

芸術と倫理、倫理的批評

芸術の倫理と倫理的批評に関するサーベイ論文を読んだのでまとめました。「倫理的批評って可能なの?」「芸術作品と倫理はどう関わるの?」といった疑問を抱いている方はご一読ください。 ・Giovannelli, Alessandro. "The ethical criticism of art: A new …

A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか?」PART II

PRT I→http://lichtung.hatenablog.com/entry/2018/03/17/215144の続きです。 Art and Pornography: Philosophical Essays 作者: Hans Maes,Jerrold Levinson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2015/09/01 メディア: ペーパーバック この商品を含む…

A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか」PART I

芸術的価値の周辺を探索しています。 Art and Pornography: Philosophical Essays 作者: Hans Maes,Jerrold Levinson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2015/09/01 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 『芸術とポルノグラフィ』に…

J. グラント「隠喩と批評」

キャロル『批評について』に触発され批評の周辺を探索しています。 取り上げるのは、ジェームス・グラントの論文「隠喩と批評」(2011)。 この論文では、なぜ芸術批評においてしばしば隠喩が用いられるのか、批評家は隠喩によって何を達成しているのかが問…

ノエル・キャロル『批評について』

『批評について』について アメリカはニューヨーク市立大学に勤めている著名な美学者ノエル・キャロルの著作『批評について』(邦訳:2017年 原著:2009年)は次のひとつの問いを問うています:「批評とは何か、そしてそれはどのようなものであるべきか」。 …

2018年2月の本

2018年2月よかった本をメモしておきます。 メタ倫理学入門: 道徳のそもそもを考える 作者: 佐藤岳詩 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/08/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 『メタ倫理学入門』 ほうぼうで絶賛されている本。噂…

SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ

イントロダクション 社会的構成(social construction)、構成主義(constructionism)、構築主義(constructivism)は、人文社会科学の分野で幅広く使われている用語であり、感情、性別、人種、性別、ホモ・セクシュアル・ヘテロセクシュアル、精神疾患、技…

IEP:概念の古典理論

はじめに 「概念には定義が存在する」と主張する概念に関する「古典理論」についての記事のまとめノートです。 元の記事:インターネット哲学大百科「概念の古典理論」http://www.iep.utm.edu/conc-cl/ 「概念はどうすれば明らかになるんだろう」「定義は便…

芸術社会学とともに、芸術社会学に抗して。ザングウィルとファウラー(1)

はじめに 本稿は、ニック・ザングウィル「芸術社会学に抗して」(2002)(Zangwill, Nick. "Against the sociology of art." Philosophy of the Social Sciences 32.2 (2002): 206-218.)のまとめです。 ザングウィルはこの論文において、「なぜひとは芸術作…

「美学における理論の役割」 モーリス・ヴァイツ

概要 分析的な芸術の定義論争がこの論考からはじまったとされる、モーリス・ヴァイツ(Morris Weitz, 1916-1981)の古典的な論文「美学における理論の役割」(1956)(Weitz, Morris. 1956. “The Role of Theory in Aesthetics.” The Journal of Aesthetics …

「芸術の定義とファインアートの歴史的起源」

概要 近代社会のうちで芸術は本質的にイデオロギー的な機能を持つ。もしこの主張が正しいのなら芸術の定義をめぐる議論は見当違いなもので、取りやめられるべきものである。とする、クロウニーによる「芸術の定義とファイン・アートの歴史的起源」のまとめノ…

SEP:芸術の定義

概要 スタンフォード哲学百科事典「芸術の定義」のまとめです*1。芸術の定義の試みをざっとさらっています。20世紀以前の伝統的な定義については触れず、1950年代からの英米圏における議論を扱っています。 キイ・ワード 芸術の定義、定義に対する懐疑主義、…

SEP: 歴史哲学 PART I

はじめに 本稿はSEP(スタンフォード哲学百科事典)の「歴史哲学(Philosophy of History)」の項のまとめノートである。この記事では、歴史哲学のうちで問われる、歴史の行為者・因果論。そして、大陸系、英米圏の歴史哲学。加えて、史学史と歴史哲学との違…

SEP: プラトン

はじめに 本稿は、SEP(スタンフォード哲学百科事典)のプラトンの項のまとめノートである。 この記事において、イデア説や模倣説といったプラトンの中心的な理論が個別に議論されることはない。それよりも前の問い、「プラトンの作品である対話篇をいかに読…

エイミー・L. トマソン「芸術の存在論論争:わたしたちはなにをしているのか? 」

はじめに 本稿は、芸術の存在論(ontology of art)は諸芸術をひとつに包括するような単一の説明を目指すべきではなく、わたしたちの実践の分析にもとづいた存在論として組み立てられることが必要であると主張する、哲学者エイミー・トマソンの論考のまとめ…

ジョン・ディック「音楽の歴史および音楽の存在論における完全な対応」

はじめに 本ノートは、音楽のプラトン主義的な音楽作品の存在論において前提とされている「完全な対応の条件(PCC: Perfect Compliance Condition)」に対して歴史的批判を加えることで、それが成立しないことを示す、ジョン・ディックの「音楽の歴史および…