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「美学における理論の役割」 モーリス・ヴァイツ

概要 分析的な芸術の定義論争がこの論考からはじまったとされる、モーリス・ヴァイツ(Morris Weitz, 1916-1981)の古典的な論文「美学における理論の役割」(1956)(Weitz, Morris. 1956. “The Role of Theory in Aesthetics.” The Journal of Aesthetics …

「芸術の定義とファインアートの歴史的起源」

概要 近代社会のうちで芸術は本質的にイデオロギー的な機能を持つ。もしこの主張が正しいのなら芸術の定義をめぐる議論は見当違いなもので、取りやめられるべきものである。とする、クロウニーによる「芸術の定義とファイン・アートの歴史的起源」のまとめノ…

SEP:芸術の定義

概要 スタンフォード哲学百科事典「芸術の定義」のまとめです*1。芸術の定義の試みをざっとさらっています。20世紀以前の伝統的な定義については触れず、1950年代からの英米圏における議論を扱っています。 キイ・ワード 芸術の定義、定義に対する懐疑主義、…

SEP: 歴史哲学 PART I

はじめに 本稿はSEP(スタンフォード哲学百科事典)の「歴史哲学(Philosophy of History)」の項のまとめノートである。この記事では、歴史哲学のうちで問われる、歴史の行為者・因果論。そして、大陸系、英米圏の歴史哲学。加えて、史学史と歴史哲学との違…

SEP: プラトン

はじめに 本稿は、SEP(スタンフォード哲学百科事典)のプラトンの項のまとめノートである。 この記事において、イデア説や模倣説といったプラトンの中心的な理論が個別に議論されることはない。それよりも前の問い、「プラトンの作品である対話篇をいかに読…

エイミー・L. トマソン「芸術の存在論論争:わたしたちはなにをしているのか? 」

はじめに 本稿は、芸術の存在論(ontology of art)は諸芸術をひとつに包括するような単一の説明を目指すべきではなく、わたしたちの実践の分析にもとづいた存在論として組み立てられることが必要であると主張する、哲学者エイミー・トマソンの論考のまとめ…

プロフィール

Profile ナンバユウキ 学生。 連絡先 Twitter: @deinotaton Mail: deinotaton☆gmail.com(☆を@に変えてください) 活動 造形 高津宮アートギャザリング2016 出展『勢力のデッサン』:自作解説:"勢力のデッサン" - Lichtung グルッポ・イッテン『にく展』出…

ジョン・ディック「音楽の歴史および音楽の存在論における完全な対応」

はじめに 本ノートは、音楽のプラトン主義的な音楽作品の存在論において前提とされている「完全な対応の条件(PCC: Perfect Compliance Condition)」に対して歴史的批判を加えることで、それが成立しないことを示す、ジョン・ディックの「音楽の歴史および…

"The Modern System of the Arts" Part I P. O. Kristeller

はじめに 本稿は、クリステラーの著名な論文「近代的諸芸術のシステム:美学史研究」Kristeller, Paul Oskar. "The modern system of the arts: A study in the history of aesthetics part I." Journal of the History of Ideas (1951): 496-527. の読書ノ…

Aaron Meskin "Videogames and Creativity" Workshop in Ritsumeikan Report

概要 2017年8月9日、立命館大学にて分析美学者のメスキン教授の発表とワークショップが行われた。本レポートでは、メスキンの発表の振り返りと質問と応答を記す。 Videogames and Creativity ビデオゲームと創造性 概要 Videogames and Creativity ビデオゲ…

アーロン・メスキン「自己-関与的なインタラクティブフィクションとしてのビデオゲーム」

書誌情報 Robson, Jon, and Aaron Meskin. "Video Games as Self‐Involving Interactive Fictions." The Journal of Aesthetics and Art Criticism 74.2 (2016): 165-177. 章立て 1.イントロダクション2.ビデオゲームとフィクション2.A.ビデオゲーム…

アーロン・メスキン「コミックを定義する?」

書誌情報 Meskin, Aaron. "Defining comics?." The Journal of Aesthetics and Art Criticism 65.4 (2007): 369-379. Defining Comics? - MESKIN - 2007 - The Journal of Aesthetics and Art Criticism - Wiley Online Library 章立て 1. イントロダクショ…

デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第2章 意味

第2章 意味 Meaning この章では、「人生に意味はあるのか」という問いが、どのような問いなのかを確認する。第1節では、人生の意味を問う動機に軽く触れ、第2節では人生の意味をさまざまなパースペクティヴから確認する。第3節では、あるパースペクティヴに…

デイヴィッド・ベネター『人間という苦境』第1章 イントロダクション

『人間という苦境——人生の問題への率直なガイド』 The Human Predicament: A Candid Guide to Life's Biggest Questions *1 はじめに 第1章 イントロダクション 1. 人生の大問題 Life's big questions 2. 悲観主義と楽観主義 Pessimism and optimism 3. …

ラテン語 ギリシア語 スタディガイド

はじめに ヨーロッパの思想、文学、芸術、歴史にアクセスする際、ラテン語と古典ギリシア語の知識が必要となる場面は多い。現在は独習に適した書物も多くあり、誰でもこれらの言語を学ぶことができる。とはいえ、直接西洋古典語を学習している知り合いがいな…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』読書ノート 目次及びPDF

これまで上げてきたものをPDFにまとめました。全60ページです。 内容は変わりありませんが、誤植の訂正とレイアウトの調整を行なっています。 ご入用の方はご連絡ください。 加えて、目次をまとめました。 目次 第1章→ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第13章 どうして聴かなければならないのだろう

第13章 どうして聴かなければならないのだろう この章では、なぜわたしたちは音楽を聴くのか、という根本的な問いを問う。 ショーペンハウアーの音楽理解が参照されつつ、キヴィの自説が述べられる。 第13章 どうして聴かなければならないのだろう なぜ聴く…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第12章 そして演奏について

第12章 そして演奏について この章では前章で軽く触れるにとどまった演奏と楽譜の関係について分析する。 第1節では、歴史的な楽譜の変化に触れつつ、楽譜と演奏の関係を、第2節では、作曲家と演奏家の関係を、歴史的に真正な演奏という言葉を軸に分析する。…

"Overdose of Joy" Flashback music

東加古川を中心に活動しているレーベルfastcut recordsの10周年記念ライヴイヴェント"Overdose of Joy"*1。 曽我部恵一、Lamp、Four Pens、Pictured Resort、Sheeprintの5組が出演。 加古川駅からシャトルバスで20分ほど揺られ、到着する。 会場は加古川ウェ…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第11章 作品

第11章 作品 この章では音楽作品の存在論をその演奏との関係から展開する。 第1節では楽譜と演奏の関係、第2節では実在論の解説、第3節では極端なプラトニズムに対する4つの反論を検討する。 第11章 作品 1. 楽譜と演奏 作品と演奏の存在論 2.実在論 3.…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第10章 語りと表象

第10章 語りと表象 この章では、テキストと音楽の関係、そして表象と音楽の関係を詳しく分析してゆく。 第1節では表象のさまざまな区分を導入する。第2節では標題音楽を頼りに、テキストと音楽の関係や作用を分析する。 第10章 語りと表象 1.音楽的表象 絵…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第9章 はじめに言葉ありき、しかして音楽ありき

第9章 はじめに言葉ありき、しかして音楽ありき この章では、言葉と音楽をめぐる問題をオペラと楽劇の歴史を通して検討する。 第1節ではオペラ以前の歴史を宗教改革との関連から記述し、第2節ではオペラの問題をその形成とともに述べ、第3節では音楽と言葉へ…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第8章 形式主義の敵たち

第8章 形式主義の敵たち この章では、絶対音楽がなんらかの内容を持つとする非形式主義者の議論を検討、批判する。 第1節では、非形式主義者の議論の動機を確認し、第2節では非形式主義の代表例として、絶対音楽に対するふたつの解釈を扱う。まず、第1に弱い…

音楽学のディシプリン 音楽学の誕生からニュー・ミュージコロジーへ、そしてそれ以後

はじめに 本稿は音楽学のディシプリンを扱っている文献をごく簡単な著者紹介とともに数点列挙したものである*1。 主として自分の備忘録として書かれている。副次的に、音楽学という学問じたいに興味があるひと、すなわち、「音楽学は音楽にどう関わるのか」…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第7章 あなたのうちにある情動

はじめに ページを数えるとようやく半分を過ぎたところ。運がよければ夏が来る前に読み終えられそうだ。あせらず、疑問を持ちながら読み進めていきたい。 第7章 あなたのうちにある情動 この章では、音楽がいかにして情動を持つのか、そしてどのようにわたし…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第6章 強化された形式主義

第6章 強化された形式主義 この章では、音楽における情動をうまく扱うために、強化された形式主義についての議論とそれに対する反論を概観してゆく。まず第1節で、伝統的な形式主義について確認し、第2節では強化された形式主義を統語論的な要素、そしてその…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第5章 形式主義

はじめに 読み進めるほどにあちこちに、これから学ぶべきものが見えてくる。 さまざまな本をひらきつつ、聞き知ったことがらを関連させていければと思う。 それでは、ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第5章を読んでいきたい。 第1章→ピーター・キヴィ『音楽…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』 読書ノート 第4章 もうすこし歴史の話を

はじめに 断片的だった知識がひとつの流れとして立ち現れる、そうしたことを歴史叙述は行う力があるのだと、キヴィの整理を読んでいると気づかされる。 ピーター・キヴィの『音楽哲学入門』今回で4回目となった。全13章の三分の一の少し手前、まだまだ長いが…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』読書ノート 第3章 音楽における情動

はじめに 予想しなかったほど多くの方の目にふれることになり、さらに幸いなことに、幾人かの方から理解にかかわる貴重なご指摘をいただいた。改めて感謝を記しておきたいと思う。 今回で3回目になる。キヴィの文体にもようやく慣れてきたところだ。 それで…

ピーター・キヴィ『音楽哲学入門』第2章補足 プラトン『国家』第3巻第399α-399β節に関するコメント

戦士を模倣する旋法について 第2章→Dedicated to Peter Kivy. Introduction to a philosphy of music 読書ノート その2 第2章 すこし歴史の話を - Lichtungにおいて、キヴィがあげている例は、プラトン『国家』第3巻の399aから399bにかけての以下の文だと思…